2016年4月30日土曜日

ジャンク JC-120 修理できるのか? とにかく触ってみる

Rolandの超ロングセラー、超定番アンプJC-120。どこのスタジオ、ライブハウスに行ってもまず置いてあるのはコレ。
1975年発売、細かなマイナーチェンジはあるが基本的なデザインは変わらない。
開発には当時の日本のトップギタリスト、井上堯之氏(井上堯之バンド 「太陽にほえろ」のテーマが有名)、浅野孝已氏(ゴダイゴ)が関わったらしい。『使えない』と評価の低い Distortion はキーボード 用につけられた機能のためだとか。
癖のない素直な音。ともかく頑丈で壊れにくく、もしも不具合が出たとしてもトランジスタアンプなのでメンテナンスもしやすい。どこにもある理由はこの長所による。(なのでなんとかなるんじゃないか、と思ってジャンクに手を出したわけだ。) JCを嫌う人も多いのだが、なんで嫌われるかというとどこにいってもあるアンプなので良くも悪くも誰でもJCの音になるって理由のようだ。

アコギでも使えるからJCが欲しい、だけどJC-120の 60w + 60w は Relax だと持て余しそうだなぁ、でかいくて重いから運ぶのも大変だろうし小さい方にしよう、と思ってJC-55を買ったのが20年くらい前。JC-120は欲しいのは欲しいけど、新品で買おうというほどでもなく、今回のジャンクがツボであった。
意外なおまけになったのは、練習スタジオを提供してくれているみのるさんがコレを持っていったらすごく喜んでくれたこと。「はよ直しいな」と妙に薦められたのでやってみることにした。



開けて中身を調べる。

症状
チャンネル1 音でない。つないでボリューム上げると激しくノイズだけが出る。lowジャック、ネジない。
チャンネル2 ガリ多い。

予想と方針
パワーアンプ部が逝ってたら簡単に手が出せなくて困るけど、可能性として低いはず。チャンネル1はジャックが壊れてるんじゃないか。
チャンネル2はポッドを掃除すりゃなんとかならんかな。


チャンネル1の不調は多いみたいだ。以前にやらせてもらったFuzzyさんのJC-120もチャンネル1が使えなかった。ギター弾きはチャンネル2しか使わないから問題ないっちゃないんだけど、なんとかなるものなら直したいし、原因くらいは探ってみたい。

とにかく開けてみる。まず、チャンネル1のジャックを外した。



外観上の破損はなし。だけどジャックが基板から浮いてる気がする。へんなグラグラ感あり。ハンダの色がちょっと変な気がする?! 割れてるのか?



ハンダを取ってジャックをはずしてみたら、なんと、3本ある足のツメのうち一本がハンダの中で折れてた。これは外さないと気づきようがない。基板の方では小さな割れがある。基板のパターンには断線はない。



ジャック自体の内部は大丈夫なようだ。折れた足はグラウンドであった。これが折れてるから音が出なかったのだな。交換すべきなのだが手持ちはない。

こういうときは ともかくなんとかやってみる だ。人さまにおすすめはしませんが。

足が折れて短く基板の穴の奥なのでハンダがのせられない。試してもたもた時間をかけて加熱してるとプラが負けそうだし弱った。

アース側だし、よかろうということで足を継ぎ足すことにした。そのままではうまくいかないだろうことは承知の作戦である。
穴もひろげてハンダしてみた。コテをあてると継ぎ足した足はとれてしまうのだが、それが呼び水となってハンダがのってくれた。やってみるもんだわ。



導通を確認して、つないでみたらみごとにアンプが鳴りました。うほほほ。
正規に修理に出してたらここの基板ごと交換になるのだろうな。基盤が3000円、技術料5000円ってとこちゃいますかな。

しかし、なんでこんなとこが折れたのやら? 不思議すぎる。とんでもなく激しくぶつけたのか? プラグさしたまま倒したとか。それにしても、基板ががっちり固定されていてジャックに衝撃が加わったのならまだわかるのだが、コレの構造はジャックがパネルに固定されてそこに基板がひっついているだけである。どういう力のかかり方をすればツメが折れるのか想像できない。
また、分解するときに、ネジ類のしめつけが甘く感じるとこがあった。前の持ち主がなんとかしようと開けてはみたもののあきらめたのかもしれない。

作業しながら想像がふくらむ。
Roland の下請けの部品工場で、新人のパートのおばさんかそういう感じのとんでもなくヘタな人がジャックの足のツメを思いっきり曲げてしまい、ムリヤリ伸ばしてハンダづけ。検品はすりぬけ販売されたものの、移動などの振動で金属が疲労し断裂。
急な出費がどうしても捻出できなかった前オーナー、見つかりにくいようにわざとここを壊して売った。ジャンクだから買う人はなかなか現れないだろうから後で買い戻すつもりで泣く泣く一時的に手放したら、その一時の間にオレが買って帰ってしまった。

すべては 藪の中 である。


チャンネル2にかかる。
ガリがあるから洗浄しようと思っていたのだが、密閉型のポッドで、これはもう交換しか手がないらしい。うーーーむ、残念。






なんだけど、コレもなんかハンダが怪しい気がしたので吸引してハンダ付け直しておいた。
組み立てにかかる。





ガリはやはりあるもののノイズは減ったように思う。

low側はどうせ使わないんだけど、とりあえずウラの使わないジャックからねじを流用しておいた。Rolandで補修パーツを買うことにした。

ジャックは気休め修理なのでボリュームポッドと両方交換した方がいいと思うが、今日はこれでよしとする。

開けてとにかく感じたのは、内部の配線材のたよりなさ (-_ - !)

外のシールドには誰もがけっこう金かけてるのに、中はこんなもんなのか?配線すべて交換なんてのも音のグレードアップには有効かもしれない。(そこまでようやらんけど。)


ごぶさたしちゃってるけど Fuzzy のけんじゅんくん、オレなら格安で修理できるかもしれないけどどうですか? 笑

0 件のコメント:

コメントを投稿