2015年12月30日水曜日

「白ゆき姫殺人事件」 見た

「白ゆき姫殺人事件」   原作 湊かなえ  2012年7月発売
映画「白ゆき姫殺人事件」 2014年3月公開   主演 井上真央 監督 中村義洋

映画「告白」を見たのがそもそものハジマリだった。そろそろ寝ようとしていた深夜に、たまたまつけてたテレビで流れ始めて、そのまま最後まで見てしまった。ものすごく『気持ちの悪い』映画だった。
ハナシにひきこまれたのが途中からだったので、ハジマリがいったいどうなっていたのかが知りたくなり、そこで 湊かなえ さんという作家の存在を知った。興味がわいたので原作を買って読んだ。
おもしろかった。

「白ゆき姫殺人事件」も、湊さんの原作ということで興味がわいた。
おもしろかった。

映画「告白」に『気持ちの悪さ』を感じたのと似たような感覚はあったけれど、小説にしても「白ゆき姫殺人事件」にしても異質な『気持ち悪さ』だと思った。映画監督の作り方によるのかもしれない。
大人しく地味だというな容疑者 城野美姫(しろの みき) 、演じた 井上真央さんが好演。なのだけど、美人すぎるが、ほんとに地味な人が演じるわけにもいかず、かな。

「白ゆき姫」のイメージを重ねられていた被害者が亡くなり、物語は「赤毛のアン」が大好きな女の子を描く場面が増える。

「赤毛のアン」が好きと聞くと、こういうタイプの女の子を思い浮かべていまう。
小学校の3年生か4年生くらいでアンに出会う。運動よりも読書好き。髪の毛は両脇でくくる。自分は「かわいくない」と思い込んでいるところがある。周りから浮いてるとこがあってたまにイライラする。会話は盛り上がりに欠けるし、こっちが一方的に話さないと間が持たなくて、一緒にいるとたまに疲れる。でも悪い子じゃないことはよくわかるし嫌いじゃない。一緒に盛り上がろう、みたいな時には適さない。アタマはけっこういいと思うんだけど、なんせ要領悪くて地味。

湊かなえさんは「そういうタイプの女の子」が嫌いじゃないんだろうなと思った。むしろそういう『要領の悪さ』を「そうそう、わかるよ」って慈しんでいるのかもしれない。中村監督の描き方だろうか。

被害者は高慢な「白ゆき姫」、 容疑者は要領の悪すぎる「アン」、さらに『男の子』の前ではそこそこうまく立ち回って操るが「お姫さまに逆らえない」女の子。
彼女らにからむ男がまたどいつもこいつも情けない。結局は「お姫様」になびくわ、要領のいいコにいいように使われる。
「オレを見てくれ」と不特定多数に向かって垂れ流し続けなければならなくなった『SNS』と、言葉はないのに「ここにいるよ」って確実に相手に伝わっている『ろうそくの灯り』が対照的に描かれたり。

いろんなところがうまく作られてて非常におもしろかった。原作読んでみよう。


『白雪姫』ではなく、『白ゆき姫』らしい。なぜなんだろう。

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